
ティーツリーやブラシノキ(ブラシの木)は、オージープランツとして知られ、オーストラリア原産の花木です。
ガーデニングでは庭木・植栽として広く利用されています。
丈夫なものも多く、防風の生け垣とされることもあります。
花や葉枝は花束にも利用されるほか、ドライフラワーとしてインテリア作品に利用されることもあります。
花や葉からエッセンシャルオイルが抽出され、香水や化粧品としても利用される種類もあります。
「ティーツリー」という名前からアロマオイルを連想される方も少なくないでしょう。
「ブラシの木」はブラシのような穂状の花を咲かせる花木です。
金宝樹(キンポウジュ)としても知られます。
当店は、多数のオージープランツの種子を扱っており、生花用として栽培している種類もあります。
ここでは、当店の取り扱いの種類の中から、特徴や用途別に、おすすめの種類を紹介します。
紹介するのは、ティーツリーやブラシの木、それらと雰囲気が似たオーストラリア原産の花木になります。
(★以下では、便宜上、これらを「オージープランツ」として表記します。)
※現在育成中の種類もあるので、新たなおすすめ種類があれば随時更新していきます。
ティーツリーと呼ばれる木は、主に「レプトスペルマム」や「メラレウカの一部」が該当します。
細葉の繊細さを感じる低木や、精油として利用される木があります。
ブラシの木は、主に「カリステモン」や「メラレウカの一部」が該当し、ブラシのような花が特徴です。
それぞれの定義は不明確であることや、稀に分類(属名)が変わることもあります。
鉢植えとしてオージープランツを育てる
鉢植えに向いているオージープランツは以下が挙げられます。
・小さくても花を楽しめるもの
・小さくても見栄えがあるもの(例:葉が細身、葉枝が樹形が特徴的)
また、成長が早すぎると、根詰まりが早くなるので、「成長が早すぎないこと」や「小さく仕立てやすいもの」もポイントになります。
ここで紹介するオージープランツは、多くは丈夫であり育てやすい木です。
一方、若木のときや、種類によっては、日本特有の大雨に弱い種類・寒さに弱い種類もあります。
それらの種類でも、鉢植えで育てると「苦手な時期に鉢を移動させること」ができるので、育てられる種類の幅が広がります。
特に、オーストラリア西部などを原産とする植物には、大雨や寒暖差に弱い種類も少なくありませんが、葉枝が美しいことや、見た目がオリジナリティあるなど、魅力的な種類がたくさんあります。
定番の種類 – 初心者にも育てやすい
定番のティーツリーを紹介します。
丈夫なので、オージープランツ初心者でも育てやすい種類です。
小さめの葉で葉色も良いので、樹高1~2mに仕立てても見栄えがあります。
レモンティーツリー
園芸用の木としては、「ティーツリー」と呼ばれる定番の品種です。
「レモン」という名の通り、柑橘類を連想する香りがあるので、ハーブとしても利用できます。
細身の葉をもち、時期によっては赤みまたは黄色をおびた葉色になり、葉色からも柑橘類を連想させます。
シルバー・ウィーピング・ティーツリー
こちらも園芸木として「ティーツリー」とよばれる定番の品種です。
「シルバー・ティーツリー」と略して呼ばれることがあります。
「シルバー」という名の通り、銀色を連想させる明るい葉色です。
若木のときや日が当たりにくい環境だと、シルバーさが出にくいようで、明るい環境で少し大きめに育てるのが望ましいです。
小さくても花を咲かせ、丈夫なもの
樹高1~2mほどでも花を咲かせ、丈夫なオージープランツを紹介します。
実際に種子から育て、樹高が小さくても花を咲かせることを確認しています。
メラレウカ・ヒペリシフォリア
別名「ヒロイック・ブッシュ」とも呼ばれます。
「ブラシノキ」のような花が特徴的です。
丈夫で育てやすく、成長も早すぎることがないので、鉢植え育成に向いています。
樹高が小さくても花を咲かせることを確認しています。
メラレウカ・スノーインサマー
オーストラリアでは夏頃に雪を被ったような多くの白花を咲かせることから、「スノーインサマー」と呼ばれます。
(日本では5~6月の初夏に花を咲かせます)
多くの花を咲かせるので、鉢植えで小さく育てても、一定の花を咲かせてくれます。
鉢植えだけでなく、小~大型の様々なサイズの庭木としても活用できます。
鉢植えのときは、特に冬から春にかけての季節の変わり目と長雨に注意が必要ですが、丈夫です。
カリステモン ・キャプテンクック
「カリステモン」は「ブラシノキ」として有名であり、「金宝樹(キンボウジュ)」と呼ばれる縁起のよい花木です。
こちらも樹高が小さくても赤いブラシのような花を咲かせてくれます。
若木のときは大雨・長雨には注意が必要ですが、鉢植えでも年を経ると丈夫になる印象です。
小葉系、鉢植えでやや大きめに育てる
少し大きめに育てる場合のおすすめの種類を紹介します。
小葉系なので小さく育てても見栄えはあります。
一方、2m程度には育てたほうが、ボリューム感や、種類ならではの特徴を感じられます。
ラベンダーティーツリー
ロザリナ精油(ラベンダーティーツリーオイル)として有名な種類です。
アロマオイルや石鹸、薬用などに用いられています。
葉の大きさは、育てるサイズによると思います、鉢植えとしては葉が小さく、育てやすい印象です。
レモン・センテッド・ティーツリー
「レモン」という名の通り、柑橘系を感じさせる香りがあります。
有名なレモンティーツリー(レプトスペルムム・ペテルソニー)とは異なり、とても小さな葉が集まった葉枝になります。
若木は、まるで針葉樹のような葉枝であり、オリジナリティがあります。
庭木(地植え)としてオージープランツを育てる
日本で地植えするには、「日本特有の長雨に耐えられること」や「寒さに弱すぎないこと」がポイントです。
オージープランツには乾燥した土壌や温かく安定した気候を好む種類もあるため、そのような種類は日本の地植えに適していません。
大雨や寒暖差にも耐えられる種類が適しています。
また、オージープランツにには、寒さに弱い種類も少なくありません。
一方で、少しのマイナス気温であれば耐えられる種類は多いです。
※寒冷地では多くの種類の地植えは難しいと考えられます。
オージープランツには丈夫な種類が多く、1~2年目はマイナス気温に耐えられなくても、その後は、持ち前の生命力で耐えられる種類もあります。
ここでは、上記の条件に当てはまる種類を紹介します。
植えする苗は、最低でも1~2mには育てた状態が望ましいです。
小さいと、大雨や寒暖差だけでなく、近年の異常な猛暑に負けてしまう可能性があるからです。
また、地植えするタイミングも、大雨や寒暖差がある時期や猛暑時を避けることが大切です。
有名な種類
まずはオージープランツとして有名な品種を紹介します。
アゴニス・フレクソーサ
細長く葉をもつオージープランツです。
大きく育つと、やや葉が枝垂れ、柳のような雰囲気にもなります。
「ペパーミント・ツリー」ともよばれ、葉にはやや爽やかな香りがあり、ハーブ木にもなります。
カリステモン・シトリヌス
「ブラシノキ」の丈夫な木の一つとしての紹介です。
「ブラシノキ」は「キンポウジュ(金宝樹)」という縁起が良い名前があります。
庭木としても植えると、縁起を担げます。
本種類は丈夫で育つのも比較的早い印象です。
小葉系の種類
ここでは小葉系のオージープランツを紹介します。
小さい葉なので、庭木として小さめに育てるときにも適している渡韓がられます。
メラレウカ・デクサタ
別名「トーテムポール」や「クロスリーフ・ハニーマートル」とも呼ばれます。
若い木のときは、白っぽい薄茶色の樹皮であり、柔らかな印象もあります。
樹高は2~3mとされ、小さく育てるのに向いています。
レモン・センテッド・ティーツリー
しなやかに湾曲する枝に、やや丸みを帯びた小さな葉が特徴的です。
このような角葉は「三角葉アカシア」を連想すると思いますが、全く違った様子です。
こちらは小さな葉が枝の周りを覆うように生えていくので、まるで鱗にも見えます。
最初は成長が遅く感じますが、大きめの鉢に植えると、早く成長し始めます。
大きくなれば雨も大丈夫ですが、特に1年目は大雨・長雨に弱いと考えられます。
樹高は高くない方ですが、2m以上で育てるのが望ましいと思います。
バーケア・リニフォリア
「シューストリング」とも呼ばれ、靴紐のような葉です。
柳のように枝垂れる様子が独特になります。
青みのある長細い葉が美しく、淡い色の花が咲くと写真映えします。
当地では花は1年に2回以上見られ、長く咲いています。
生育地は厳しい環境ということで、日本の大雨にも軽く耐え、寒冷地でなければ、寒さにも強い方と考えられます。
こちらも2m以上で育てるのが望ましいです。
丈夫なもの
ここでは丈夫なものを紹介します。
最初から育てやすく、成長する速度も比較的早い種類です。
メラレウカ・スノーインサマー
オーストラリアでは夏頃に雪を被ったような多くの白花を咲かせることから、「スノーインサマー」と呼ばれます。
(日本では5~6月の初夏に花を咲かせます)
樹高は6~8mとされ、数m以上に育てることができます。
樹高が低くても花を咲かせるので、2~3m程度に抑えても見栄えが良いです。
爽やかな細葉をもち、成長度合いによっては、若芽が見事に赤くなります。
メラレウカ・ネソフィラ
ラベンダーピンク色のポンポンのような花を咲かせるオージープランツです。
現地ではシンボルツリーとしても利用されるようです。
成長は早くありませんが、タフさがあり、少し苦手な環境でも萎れない印象です。
丈夫なものは他にも沢山ありますが、香水や精油として利用されるアカシアも丈夫なものが多い印象です。
主な種類は、後に紹介する「香水や精油として利用されている種類を選ぶ」を御覧ください。
香りを楽しめるオージープランツを育てる
「ティーツリー」という名前は、アロマオイルや化粧品の成分を連想されることも少なくないと思います。
ティーツリーと呼ばれる種類の中には、香りがをもつ種類が数多く存在します。
また、ブラシの木と呼ばれる種類の中にも、葉枝から香りが含まれることがあります。
暮らしのハーブとして利用する
暮らしのハーブとして適している種類は以下の特徴が挙げられます。
・香りがやや強めのもの
・家庭で育てやすいもの
また、葉が大きいものよりも小葉のほうが、大小様々なスペースで扱いやすいかもしれません。
ここでは、これらの特徴から代表的なものを紹介します。
葉枝に精油が含まれるので、葉をもんだり、葉枝を切ると、香りを感じることができます。
レモン・センテッド・ティーツリー
名前の通り、柑橘類を連想させる香りがあります。
他の種類と比較しても、やや強めの香りを感じられる印象です。
小葉で、葉数が多いのことも、香りを感じやすい理由かもしれません。
レモンティーツリー
日本では、こちらのレモンティーツリーが有名と思います。
柑橘類を連想させる香りがあります。
小さいうちは香りを感じにくいかもしれませんが、葉のボリュームが多くなるにつれ、香りを感じやすくなります。
細葉なので、大小スペースでのインテリア装飾にも利用できます。
ラベンダーティーツリー
葉からの精油は、ロザリナ精油(ラベンダーティーツリーオイル)として有名です。
葉が小さいので、香りは強くない印象ですが、爽やかな香りがあります。
ロザリナ精油はアロマオイルや石鹸、薬用などに用いられています。
他にも香りを感じられるオージープランツは多くあります。
香りの性質は、爽やかなもの主ですが、爽やかさに加えて、ややフルーティーさを感じるものから、上品さを感じるものまで、色々あります。
ティーツリーだけでなく、意外と、ブラシの木にも香りがやや強めのものがあります。
色々と育ててみると、意外な品種から良い香りが見つかることもあり、香りの幅が広がります。
香水や精油として有名な種類を選ぶ
オージープランツの中で、香水や精油、化粧品の原料などで有名な種類を紹介します。
先に紹介した種類の中にも、香水や精油として利用されている種類はありますが、ここで紹介するのは、成長が早くて、大きく育つ種類になります。
突出して香りが強いことはありませんが、大きく育ち、葉のサイズも大きめです。
メラレウカ・レウカデンドラ
「カユプテ精油」として利用されるオージープランツの一種です。
やや光沢のある濃い緑色の長葉が特徴的です。
寒さに強くはありませんが、少しのマイナス気温であれば耐え、育つにつれて耐性も少しずつ上がると考えられます。
ニアウリ(メラレウカ・クインクエネルヴィア)
エッセンシャルオイルとして有名な「ニアウリ」として利用される一種です。
成長は早くて丈夫です。
寒さには強くありませんが、先に紹介したメラレウカ・レウカデンドラより少し強い印象です。
ただ、新春の寒暖差や長雨に注意が必要です。
ニアウリ(メラレウカ・ビリディフローラ・レッド)
「メラレウカ・ビリディフローラ」も精油「ニアウリ」として利用される一種です。
こちらも成長が早く、丈夫な印象です。
樹高10mにもなるようですが、メラレウカ・クインクエネルヴィアに比べると少し低めです。
まとめ
本記事では、用途別に、様々なティーツリーやブラシノキを紹介しました。
観賞用だけでなく、ハーブとしても利用できる種類もありました。
魅力的なティーツリーやブラシノキはたくさんあり、ここでは紹介できなかった種類もあります。
現在育成中のもの・これから販売予定のものもあるので、今後、アップデートしていきます。
ティーツリーやブラシノキは丈夫な種類も多いので、知られていない種類でも、育てやすいケースが多いです。
意外な場所で地植えされており、多くの花を咲かせている風景に気づくこともあります。
もちろん、育成する地域によっては、合う・合わないがあると思います。
特に、冬が寒い地域では、その地の冬に耐えられるかは、育ててみないとわからないことが多いと思います。
若木では冬に耐えられなくても、大きめに育て、寒風を避ければ、寒さに耐えることもあります。
ティーツリーやブラシノキには多くの種類があり、花の色や、葉の形、香りも様々なので、様々な種類を育ててみることもおすすめです。

▼オージープランツでは、「ユーカリ」や「アカシア(ミモザ)」も有名です。






















