学名:Acacia senegal
英名:Gum arabic tree, Kher
アカシア・セネガルとは
アカシア・セネガルは化粧品などで用いられる「アラビアゴム」で有名な、中型のミモザ(アカシア)です。
黄白色の花を咲かせ、羽状の小さめの葉と、鉤状のとげのある枝をもちます。
木から抽出した樹脂は「アラビアガム」と呼ばれ、化粧品・薬・食品の原料として有名です。
(「アラビアゴムノキ」は、アラビアガムが採取できる代表的な種類であり、採取できるアカシアは数種類あります。)
1,000年以上前からアラブ・西アジア等で栽培され、「アラビアゴム」は貴重な輸出品でした。
シェイクスピアや中世のヨーロッパ詩人は、「アラビアゴム」を「Noble Orient(高貴なオリエント)」として表現したそうです。
産業革命時代には、オランダ・フランス・イギリス等が植民地で輸出を始め、当時は繊維印刷等で重要な役割を果たし、欧州各国の利害関係にも影響しました。
現在では、スーダン・チャド・ナイジェリアなどでアラビアゴムが多く生産され、乳化安定化・皮膚形成の効果があることから、スキンケア用品や美容液、皮膚薬などにも利用されています。
食品添加物としてアイスクリームやグミ等に利用されるほか、水彩絵の具や、接着機能剤として陶器や写真、花火(パイロテクニクス)などの幅広い用途で利用されています。
生育地:サブサハラアフリカ、オマーン、パキスタンなどに生育
樹高:5~12m程度
育て方
耐暑性があります。(近年の連日の猛暑等には注意)
冬は寒波に当てず、なるべく、0度以下になりにくい環境で育ててください。
水はけのよい土で育て、過度に水持ちする土は避けてください。
水やりは、土を乾燥気味にし、土の上~中部が乾いたら水を与えます。
大雨や長雨が当たらない場所で管理してください。
過度な土の湿りすぎは植物を弱らせるため、注意してください。
ただし、春から秋の成長期には、水を早く吸うことがあるため、水を完全に切らさないように注意します。
成長期ではない時期(冬など)は、水を吸う速度は遅くなりますので、それを考慮して、水やりは最低限にします。
夏などの高温多湿は好まないため、空気が滞留する場所は避け、多湿にならないよう風通しの良い場所で管理ください。
梅雨などの連日の雨には特に注意してください。
冬を含め、年中、日当たりの良い明るい環境で育てることが望ましいです。
アカシアはマメ科の植物であり、一般的に、空気中から窒素を固定して、生育に利用します。
そのため、窒素が多く含む肥料や培養土は避けてください。
肥料を過度に与えすぎると、逆に、弱らせることになりますので、注意してください。
肥料を与える場合には、窒素が少ない肥料を年に1~2回程度、控えめに与えると良いでしょう。
※耐寒性等の耐性は、育成する地域の気候や環境変化にもよるため、様子を見ながら管理ください。
参考画像
アラビアゴム
樹脂はまるで宝石のようです。
<注記>
・本情報は、当店の経験や、生息地の環境、調査情報をもとに掲載をしておりますが、全てが正解ではない場合もあります。
耐寒性などの耐性は、成長度合いのほか、育成する地域の気候や環境変化(暑さや寒さの期間・湿度変化・寒暖差など)によって異なるケースがありますことをご了承ください。
もしもお気づきの点がありましたらご連絡ください。
・植物全てに関することになりますが、地植えなどの野外で育成するときには注意が必要です。
植物によっては、別の土地へ自生して侵略種になり得ますので、管理できる状態を維持してください。
育つ様子や育成例の記事
アカシア・セネガルの育成の様子を紹介上記の記事ではアカシア・セネガルの育つ様子や育成例、個性や魅力を紹介しています。