ユーカリ 暮らしの中での使い方 紹介

私たちは自農園でユーカリを栽培し、生花として出荷するほか、苗木や種子を小売したり、フラワーレンジメントやユーカリ作品を日々製作しております。
その中で感じる、たくさんのユーカリの魅力をご紹介したいと思います。

目次

ユーカリとは

ユーカリはコアラのイメージをもつ方が多いと思いますが、花束やフラワーアレンジメント、リースやスワッグ等の作品づくりで、とても人気の高いグリーン素材です。
エッセンシャルオイルや香水でも、ご存じの方が多いと思います。
清涼感のある香りのユーカリから、甘い香りをもつユーカリもあり、癒しを感じる方も多いです。

コアラの食べるユーカリ

ユーカリの種類は700種類以上ありますが、コアラは全てのユーカリを食用にしてはいません。
コアラが食べることのできるユーカリは、ユーカリ・ロブスタを始めとして数十種類以上ありますが、コアラが動ける範囲で数種類の葉だけ食べるといわれています。
オーストラリアのサウスウェールズ州計画環境局によると、ランク1(特に好ましい種類)のものとして、ユーカリ・カマルドレンシス、ロブスタ、イエローボックス等が挙げられています。

ユーカリの葉を食用とする動物はコアラを除くと、フクロモモンガやワオフクロネズミなどの一部です。
多くの動物にとって、食べるのは有害な植物でもあるのです。
一方で、ユーカリの花には、ハチドリやチョウ、ミツバチに加えて、コウモリなどが集まります。
ユーカリの花は、ハチミツ用にも利用されており、ユーカリ・ハニー(はちみつ)として流通しています。

ユーカリの生育する地域

大半のユーカリの原産地はオーストラリアです。
有名なレインボーユーカリは東南アジアの島国に生育するユーカリですが、オーストラリア以外を原産とするユーカリは多くはありません。
現在では、アメリカやヨーロッパを始めとした、世界中で栽培されており、日本でも栽培されています。
ユーカリは冬には弱いケースもありますが、日本の冬に耐えることができる種類も数多くあります。

ユーカリの樹皮

ユーカリの樹皮や幹に、美しく芸術的な種類があることも、ユーカリの大きな魅力の一つです。
オーストラリアでは、アボリジニが古くから楽器や生活品の木材として利用しました。
ユーカリには育つのが早くて丈夫な種類も多く、木材的価値もあるため、現在では木材・製紙用として世界の様々な地域で植樹されています。

切り花として使う

ユーカリの代表的な活用方法としては、切り花としての利用方法があります。
花束などのフラワーアレンジメントとして広く利用されています。

花瓶に飾る

ユーカリは花瓶に飾るだけでも、立派なグリーンのインテリアになります。
種類によって葉の形や色も異なりますが、銀色が少し混じった緑色の葉を持つユーカリ銀世界や銀丸葉、小さな葉をもつグニーやパルブラが人気です。
また、清涼感ある香りがあるので、ハーブとして側に置くのもおすすめです。
癒しやリフレッシュ効果、集中力の向上にも効果があるといわれています。

フラワーアレンジメントのグリーン素材にする

ユーカリは、フラワーアレンジメントで大人気です。
グリーンのアクセントとなり、花々を美しく引き立てます。
お花屋さんで花束を注文すると、グリーン素材としてユーカリが使われていることがよくあります。
ユーカリ銀世界や、ユーカリ銀丸葉、細葉のユーカリが使われることが多いと思います。
ユーカリによって、色合いや、葉の形も様々なので、様々なユーカリを活用して、アレンジメントで個性を出すことができます。

ハーブとのアレンジメントで香りを楽しむ

他のグリーンやハーブと組み合わせて、グリーンアレンジメントとして利用するのもおすすめです。
アレンジメント初心者でも飾りやすく、長持ちするので、お花よりも長く飾ることができます。
緑は見ているだけでも、リラックスや集中力の維持につながるとされます。
暑い時期には清涼感を感じさせてくれます。

ユーカリの香りを楽しむのであれば、香りが強めのものを選ぶのがおすすめです。
ユーカリ銀世界やユーカリベイビーブルーは香りが強い種類です。
他にも、精油で有名なユーカリとして、ユーカリ・グルボロス、ユーカリ・ラジアタなども挙げられます。

また、通常のユーカリとは少し香りが異なる種類を選んでみるのも一つです。
柑橘系に似た香りを併せ持つレモンユーカリや、ペーパーミント系の香りのユーカリ・ラディアータ、甘い香りのユーカリ・ニテンス等が挙げられます。

スワッグやリース、ウォールデコなどの作品作りで活用する

ユーカリは、リースやスワッグの作品作りでも人気の高いグリーン素材です。
かわいい見た目で、壁やドアにかけたり、キャンドルと一緒に飾ったり、フレームにのせたりと、いろいろな飾り方を楽しめます。

ユーカリはドライ素材としておすすめの素材

ユーカリの大きな魅力は、乾いた後、ドライならではの美しい雰囲気になることです。

ドライ生花の状態から作品を作ると、任意な形に整えやすいので、作品の幅が広がります。
生花の状態から、次第にドライに変わる色の変化もお楽しみいただけます。

ユーカリは葉が厚いものが多いので、乾いても形がしっかり残るユーカリが多いです。
ユーカリ銀世界は特に形が残りやすく、美しいユーカリドライをお楽しみいただけます。
生花に比べると香りは弱まるものの、数か月以上は香りが残ります。

花瓶に飾ったり、バスケットに飾る

ユーカリのドライだけでも、一輪挿しで飾ると、立派なインテリアになります。

他の素材とアレンジメントして、バスケット等に飾るのもおすすめです。

リースにする

ドライフラワーとして形が残るので、リースにするのもおすすめです。
他の花素材と組み合わせてもいいと思いますし、ユーカリだけでも、立派なリースになります。

ユーカリの蕾付きリース
ユーカリとコニファーのリース

スワッグにする

ユーカリスワッグも人気が高まっています。
もちろん、他の花材と組み合わせても立派なスワッグになります。
他の花々や葉とともに、少しずつドライになるナチュラルな色合いの移り変わりをご覧いただけます。

ユーカリ銀世界、ハートユーカリ等とドライフラワーとの組み合わせ
ユーカリ銀世界、ベイビーブルー、ポポラス、リボンガムの4種類、エリンジュームの2色とセンニチコウのアレンジ

ウェディングなどのお祝いごとで、リーフシャワーにする

ユーカリの魅力にお気づきの方からは、リーフシャワーやフラワーシャワーの素材として利用されていることも増えています。
白みのある明るい色合いのユーカリの葉は、お祝いごとにも最適だと思います。
色合いは、種類や様々な条件下において、カラフルに仕上がることもあります。

カラフルなリーフ(着色はしていません)

鉢植えや種から育てる

鉢植えで育てる

鉢植えとしてベランダや軒先に飾るのもおしゃれです。
冬も葉を落としませんので、年中グリーンのハーブとして飾ることができます。
時々、葉枝を収穫して、ドライや作品作りとして活用することもできます。
光を好む種類が大半なので室内では育てずらいです。
また、夏の直射日光や冬の寒さに弱い種類もありますので注意が必要です。

種から育てる

ユーカリを種から育てるのもおすすめです。
比較的、発芽もしやすく、育てやすい植物です。
ユーカリは成長するに従い、姿形が全く変わることや、枝によって葉の形が全く異なることもあり、育つ過程を見るのは大変興味深いことでしょう。

ユーカリを種子から育てる魅力について、参考情報を以下に掲載しています。

庭木や鉢ものとして大きく育てる

ガーデニングとしてユーカリを植えるのもおすすめです。
冬でも葉が落ちず、虫も付きにくく、グリーンハーブになります。

育つのが早い方がいい?遅い方がいい?

育つのが早い種類のメリットとデメリット

種類によっては、早い速度で大きくなる種類があります。
成長が早いということは、直ぐに立派なシンボルツリーになり、数年以内に花が見られることがあります。
さらに、定期的に葉枝を選定し、ハーブとして飾ることもできます。
注意点としては、放置していると巨木になってしまうことです。
くれぐれも、管理できない場所には植えず、定期的に剪定する必要があります。

育つのが遅い種類のメリットとデメリット

ユーカリは育つのが早い種類が多いものの、ゆっくりと育ち、大きくならない種類があります。
メリットとしては、育つのが遅く、大きくならないので、管理が楽です。
大木になる心配もありません。
デメリットとしては、葉枝をたくさん収穫できないことが挙げられます。
また、中には、育てるのが少し難しいケースもあります。

成長の速度の見分け方

大雑把に確認する方法としては、樹高で見分ける方法があります。
樹高が高い(数十メートル以上)ユーカリは成長速度が早く、大きくなることが多いです。
一方で、樹高が低いユーカリ(数メートル以下)は成長速度が遅く、当然、大木になりません。
※ベイビーブルー等、樹高が小さくても成長速度が少し早いケースもあります。

寒さに弱いユーカリには注意が必要

冬に弱い種類もあるので注意が必要です。
冬に比較的強い種類は以下にまとめております。

(※お住いの地域の様々な気候要因にもよって、合う合わないユーカリがあると思いますので、その点はご了承ください。)

作品の幅を広げる、希少な素材集めになる

ユーカリは生花として利用するほか、ドライにできるので、作品づくりをされる方にとっては、様々な場面で活用できます。
一方、様々なユーカリの種類が有り、形や色合いも様々ではありますが、流通している種類は極わずかです。
そういう場合には、育つのが早いユーカリを育ててみるのも一つかもしれません。

紅葉のカラーリーフ

ユーカリは、白銀色や緑色というイメージがあるかもしれません。
しかし、ユーカリは紅葉も見事です。
紅色や紫色のカラーリーフになることもあれば、紅色と銀色が混じった、独特な色合いになることもあります。

ただ、紅葉したユーカリが生花として流通することは非常に少ないと思います。
寒すぎると傷んでしまいますし、成長しすぎると紅葉しにくくなったり、同じ種類でも環境で紅葉度合いが異なったりと、計画的な生花生産にはハードルが高いと思います。

育てることで、独特の紅葉したユーカリ素材を入手することができることができます。

一方、生花生産者にとっては、紅葉したユーカリの葉枝を生産できれば、大きな差別化になるかもしれません。
ユーカリのカラーリーフとしての可能性を感じます。

蕾や実、樹皮

特に、ユーカリの蕾や実、樹皮といった、自然のドライ素材は、入手することは難しいと思います。
大きく育てることができれば、ユーカリから様々な素材を入手することができます。
ユーカリは育つのがとても早い種類もあり、1~2m程の鉢植えでも蕾や花を咲かせる種類もあります。
(写真は銀世界の実のドライですが、この銀色帯びた色合いは自然の色合いです。)

ユーカリの蕾や実には、ドライ素材としても最適なものが多いと思います。
蕾や花についても、様々な形状や色合いがあり、ドライ素材として奥深いです。
(花が咲いてしまうと、ドライ素材としては不向きですので、通常は蕾や実が素材として好まれます。)

また、蕾からキャップが剥がれ、花が開く直前に収穫すると、花の色合いがある蕾のドライフラワーを入手することができます。
量産できるものではないため、滅多に流通しておらず、育成している人だけが入手できる希少な素材になります。

ローズガムの蕾 花が咲く直前

さらに、ユーカリからは立派な樹皮が剥がれる種類があり、それらを作品づくりに活かすことができます。
ユーカリが大きくなると、外側の皮を少しづつ脱皮するように剥がしていきます。
種類によって、形や色合いも様々なので、作品づくりの幅を広げてくれると思います。

ユーカリ銀世界の樹皮
ユーカリの樹皮を使って秋色のアレンジメント

ユーカリが側にある生活

ユーカリは様々な使い方があり、自分ならではの使い方も見つけることができます。
生花やドライ素材として利用できるので、作品作りをされる方にとっては、作品の幅を広げてくれると思います。

ぜひ、ユーカリをご活用ください。 

当ショップではユーカリの使い方Q&Aについてもページをご用意しております。

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