ユーカリの選び方 用途や見た目

「ユーカリ」は多くの種類があり、身近な場面でも使用されている植物です。

フラワーアレンジメントやインテリアでは、生花(切枝)やスワッグやリース素材。
ガーデニングでは、庭木・植栽。
ハーブとしては、アロマオイルやドライハーブ、抗菌スプレー。

コアラを知っている方は、コアラの木のイメージがあるでしょう。
また、木材としても有名であり、世界中に植樹され、建築やインフラ工事にも使用されています。
はちみつ用としても利用さ、をご存じの方もいらっしゃると思います。
また、ユーカリ・ハニー(はちみつ)、香料として生活用品や、薬の成分として配合されていることもあります。

このように幅広い用途で使用されているユーカリ。
種類は800種類以上あるとされ、種類によって、それぞれの特色があります。

様々なユーカリの中から「一体どれを選べばよいか」と迷われる方も多いと思います。

当店は、多数のユーカリ種子を扱っており、生花用も栽培しています。
ここでは、当店の取り扱いユーカリの中から、特徴や用途別に、おすすめのユーカリを紹介します。

目次

ハーブ&香りの木としてユーカリを選ぶ

ユーカリは豊かな香りをもつ種類が多いので、「香り」で選ぶのもおすすめです。
葉枝を収穫して、花瓶に葉枝を飾ったり、ドライフラワーにして、香りを楽しむことができます。

ユーカリの香りは、清涼感のある香りから、柑橘系に似た香り、甘い香りなど、種類によっても少し異なります。

強い香りが苦手な方にとっても、空間を充満させるほどの香りではないので、ご安心ください。

ユーカリならではの清涼感のある香り

ユーカリとえば、「シオネール」という清涼感のある香りをイメージされる方も多いと思います。

ユーカリ グロブルス

香料や薬用、お茶としても使用されています。
若い葉は白みがかった、明るい青緑色の美しい葉です。

成長速度が早いので、収穫しやすいです。

グロブルスには種類があり、ユーカリ・マイデニー(メイデンガム) などの亜種が存在します。

ユーカリ銀世界

フラワーアレンジメントや、ガーデニング用としても人気の高いユーカリです。

香りもあり、成長も早いので、ハーブ用や装飾用を兼ねて、育てることもおすすめです。

ユーカリ・ビリディス

「糸葉ユーカリ」とも呼ばれ、細みのある葉が特徴的です。

特に若木のときは、葉が細かく、繊細な様子です。

鮮やかな緑色から、青みのある色にもなり、美しい色合いです。

エッセンシャルオイル用として栽培されている種類の一種です。

甘みのある香り

ユーカリの中には、清涼感とともに、甘みを感じさせる香りもあります。
個人差はありますが、一般的なユーカリの香りとはひと味違う、心地のよい甘い香りです。

ココレ紹介するものは、それぞれ、違った香りがあります。

ユーカリ ニテンス

一般的には精油ではなく、樹高が高くて木材用として有名です。

甘い香りがあり、その香りが強いです。

樹高が高くなる分、育つのも早いため、葉枝を収穫しやすく、おすすめのユーカリです。

別名、シャイニング・ガム(輝くユーカリ)と呼ばれ、白みのある葉や幹をもちます。

ユーカリ・ビミナリス

「マナ・ガム」や「シュガー・ガム」と呼ばれ、甘い樹液を持つことが特徴的なユーカリです。

葉枝からも甘みのある香りがあります。

十字対生の葉も特徴的です

若木になれば、丈夫で、成長も早いです。

ユーカリ・ベイビーブルー

ユーカリ銀世界の園芸種になります。

丸みを帯びた葉は、成長しても大きくならず、コンパクトな葉を維持します。

香りも比較的強く、ユーカリ銀世界よりも、甘みを感じさせます。

園芸種ということもあり、丈夫で、成長もやや早い印象です。

ペパーミント系の香り

清涼感の中に、ペパーミント系の香りを併せ持つユーカリは、「ユーカリ・ラディアータ」が有名です。
「ラディアータ」を含めて、香りがとても強くはないものの、弱くも無く、マイルドな香りが感じられます。

成長速度は普通ですが、比較的丈夫なので、若木を超えれば、成長も早くなっていくる印象です。

いくつかのペパーミント系のユーカリを育てて、比べてみるのも面白いと思います。

ユーカリ・ラディアータ

日本では「ユーカリ・オイル」といえば、「グロブルス」と並ぶ代表格です。

精油にはシネオールに加え、ペパーミントに似た香りをもつフェランドレンという成分を含み、爽やかでマイルドな香りとされます。

明るい青緑色の細長い葉をもち、風を受けてサラサラとなびく姿は、柔らかい印象があります。

成長速度は普通ですが、比較的丈夫な種類です。

ユーカリ・リズドニー

別名「リズドン・ペパーミント」。

全く有名ではないですが、葉色も美しく、隠れたおすすめのユーカリです。

個体差はありますが、「ツキヌキ状」になる個体も現ました。
(ツキヌキ状でない個体も多いかもしれません。)

レモン系やフルーティーな香り

ここでは、また一味違う香りを持つユーカリを紹介します。

レモンユーカリ

エッセンシャルオイルで有名であり、園芸の木としても人気のユーカリです。

香りが強いユーカリの一種もあります。
精油はシトロネラールの含有量が高く、柑橘系に似たシトラス系の香りが特徴です。

成長が早くて丈夫です。
鉢が小さいと成長速度が遅くなります。

ユーカリ・マカルトゥ

日本では全く知名度がありませんが、フルーティーな香りのエッセンシャルオイルが抽出され、アロマ用等に使われています。

葉や樹皮からは「酢酸ゲラニル」が多く抽出され、それが通常のユーカリとは異なる香りの精油になる理由とされています。

ガーデニング用のユーカリを選ぶ

ガーデニング用としては、見た目や色合いが美しいものや、葉や実が特徴的なものが選ばれています。

庭木にする

日本の多くの地域で地植えする場合には、「日本特有の長雨に耐えられること」、「樹高が高くなりすぎないこと」がポイントです。

ユーカリには、樹高が数十m以上になる種類も多いです。
大木になるユーカリを地植えして、管理を怠ると、あっという間に背丈を超えます。
大きく育つと、太くなった枝を切るのは大変であり、もしも、倒れたときには近隣に影響を与えます。

そのような場面を避けるには、樹高が高くならない種類を選ぶ方法があります。
樹高が高くならない種類は、成長がゆっくりな傾向があり、管理の手間も少ないです。
ただし、成長がゆっくりな他の植物に比べると、成長は早いので、育つのを長年待つ必要もありません。

★樹高が低いといっても、放っとくと数m以上にはなるので、定期的な剪定が必要です。

補足

大木になる種類にも、庭木としては沢山のメリットはあります。
沢山の葉枝を収穫でき、種類によっては花を早く見られる可能性があるので、蕾や実をドライ素材にできます。
定期的な管理ができる場合には、樹高が高くなる種類を選ぶのもおすすめです

ユーカリ・ベイビーブルー

小さな丸い葉をもつ、樹高が低めのユーカリです。

ユーカリ・銀世界の園芸種です。
銀色帯びた美しい葉色は似ていますが、成長しても葉が大きくならないことが特徴です。

香りも比較的強く、ハーブ木としてもおすすめです。

ユーカリ・ムーンラグーン

白銀色を帯びた、可愛らしい小葉が美しい、小型のユーカリです。

園芸種であり、観賞用として庭園に植えられたり、花束の素材として使われています。

大きくなっても樹高2~4m程度なので、ユーカリの中では、大分、小型です。

ユーカリ・ギリー

青みのある緑色の卵型の葉を持つ、小型のユーカリです。

青みがある淡い色合いが美しく、見ていて心地よいユーカリです。

南オーストラリアのユーカリなので、若い時は長雨に注意が必要ですが、意外と雨にも強い印象です。

また、耐寒性が低いので、植えられる地域は選びますが、若干のマイナス温度であれば耐えます。

ユーカリ・ブルーボックス

別名「ラウンドリーフ・ボックス」の通り、丸みのある葉が特徴的です。

葉には青みがあり、若干の厚みがあります。

なんといっても丈夫なので、育てやすいです。

中型のユーカリではありますが、急に背が伸びるような育ち方はしないので、園芸用としても向いていると思います。

ユーカリ・クルセアナ

銀色帯びた、丸みのある葉が美しいユーカリです。

注意点としては、西オーストラリアのユーカリなので、長雨には少し弱く、水はけのよい土壌で育てる必要があります。

育つのはゆっくりですが、樹高が1~2m前後でも多くの花を咲かせます。

耐寒性が低いので、植えられる地域は選びますが、若干のマイナス温度であれば耐えます。

ユーカリ・ネグレクタ

別名「オメオ・ガム」

大きめの葉が特徴的なユーカリです。
日本では全く有名ではありませんが、一部では認知度が上がってきたのではないでしょうか。

海外の園芸家のYoutubeを見ていると、おすすめのユーカリとして紹介されていました。
少し大きめに育てる場合に、真価を発揮しそうです。

ちなみに「オメオ」はビクトリア州の地名であり、先住民の言葉で「山」や「丘」を意味するようです。

鉢植えとして育てる

鉢植えとして育てる場合は、樹高が大きくなるユーカリの種類を育てることは不向きです。

ただし、鉢植えであれば、鉢を移動させることができるので、育てられるユーカリの種類が広がります。
ユーカリには、乾燥気味を好み、これらの種類は、特に日本での流通が少ないと思います。
ただ、これらの種類には、葉枝が美しいことや、見た目がオリジナリティあるなど、魅力的な種類がたくさんあります。
鉢植えであれば、苦手な時期は屋内に移動させることで、すくすくと成長させることが出来ます。
「難易度が高い熱帯の観葉植物」に比べると、難易度は、ずいぶんと低いと思います。

ここでは、樹高が低くて、長雨に注意すれば比較的育てやすく、魅力的なユーカリを紹介します。

ユーカリ・プレウロカルパ

「テトラゴナ」とも呼ばれ、フラワーアレンジメントなどで、とても人気のある種類です。
大ぶりの実も特徴的で、「テトラゴナ・ナッツ」としてドライ素材としても人気があります。

日本でも、苗木が時々流通しています。

もしも地植えするには、大分、水はけの良い場所で、管理に注意が必要になると考えられます。
生命力は高いので、長雨で枯れかけても復活することはありますが、育つのは遅くなります。

ユーカリ・マクロカルパ

日本では全く知名度がないようですが、オーストラリアなどでは、フラワーアレンジメントとして利用されるようです。

プレウロカルパ同様に、厚みのある葉と、白みのある美しい色合いが特徴です。

「マクロカルパ」は、ギリシア語の「大きい果実」に由来し、大きい実は10cm近くになります。

こちらも、長雨・水やりに注意すれば、育つのは、やや早い印象です。

ユーカリ・ヨウンギア

「ラージ・フルーツ・マリー」と呼ばれ、子どもの手幅サイズの花と実になることがあります。

オーストラリアのグレート ビクトリア砂漠に生育しており、長雨・水やりには注意が必要です。

水やりに注意すれば、最初の成長速度は、プレウロカルパやマクロカルパと同様の印象です。

紅葉の色合いにも注目

紅葉が見事なユーカリはたくさんあります。

また、新芽に赤みがあることもあるので、特に新春の時期は見事な赤色になることがあります。

日の当たり具合や、気候によっても、色合いのバリエーションは様々になるようです。
特に、鉢をやや窮屈に育てると、紅葉しやすくなったり、美しい独特の色合いになることがあります。
ユーカリの葉色の変化については、とても奥深いです。

中には、寒さに弱い種類や、葉が傷みやすい種類もありますので、注意が必要です。

ムーンラグーン

通常は銀色を帯びた緑色の葉です。

秋頃から、銀色帯びた葉が、紅色に染まり、独特の色合いになっています。
寒さが強くなると、更に濃い紅色になっていきます。

鉢が小さかったり、寒さが強かったりすると、葉が痛みやすいので注意が必要です。

ユーカリ・ポポラス

ポポラスは花束の素材や園芸用として人気のユーカリです。

秋頃からは、青みを帯びた葉に、紅色が染まり、パープル色の独特な色合いになっています。

バラディン・レッドガム

普段の葉の色合いは、やや白みのある鮮やか緑色です。

寒くなると、葉の色が見事なカラーリーフになりました。
日光によって、葉脈が透き通り、際立っています。

個体差はありますが、やや鉢を窮屈気味に育てている鉢について、この様になりました。
暖かくなっても、やや白色を帯びた独特のパープル色でした。

ユーカリ・ノートニ

普段は、明るいミントグリーンの葉色です。

秋になると、厚みのある葉が、透明感を感じさせるオレンジ色からパープル色になりました。

しなやかに伸びる葉枝が独特の曲線美になっています。

ユーカリ・サリグナ

紅葉といえば、一番最初に思い浮かぶユーカリです。

主に木材として利用されることもあり、葉枝が放射状に伸びて整った樹形になります。

普段の葉の色合いも、赤みのある美しいカラーリーフであることが多いです。

秋頃からは、赤みが増して、パープル色の色合いになります。

おそらく、大きく育てると、葉は緑色になると考えられますが、園芸サイズで育てると、このような色合いになりやすいと考えます。

ドライ素材になるユーカリで選ぶ

ユーカリは、ドライ素材として、ドライフラワーアレンジメントやハンドメイド作品などで利用されています。

通常は「葉が分厚いこと」が、ドライ素材として使いやすいです。
葉が分厚いと、乾かした時に形が崩れにくくなります。

成長が早くて丈夫なもの

一般家庭で育てる場合には、「成長が早いこと」が、ドライ素材として収穫しやすいと考えられます。
条件が良ければ、花も早く咲かせてくれるので、蕾や実をドライ素材にできます。

ユーカリの蕾や実の形状や色合いは様々です。
蕾や実は入手しずらいため、作品作りをされる方にとっては、オリジナリティある作品作りに活かすことができます。
また、ユーカリは、独特の「樹皮や木肌の色合いや様子」も様々であり、ドライ素材になる可能性を秘めています。
成長が早い種類であれば、剥がれ落ちた樹皮や、枝を利用しやすくなります。

ここでは、「葉が分厚いこと」や「成長が早いこと」に該当するユーカリを紹介します。

ユーカリ・銀世界

銀色帯びた美しい丸い葉をもつユーカリであり、花束の素材として人気です。

葉も厚いため、スワッグ等のハンドメイド品で人気があります。
蕾や実は大きくないものの、銀色(白色)がかった色合いであることも多く、美しいドライ素材になります。

ユーカリ・グニー

可愛い丸い小葉が特徴的なユーカリです。
小葉ではありますが、葉も厚いので、ドライ素材にしても形が残ります。

一般に販売されているグニーの鉢植えは、いくつかの種類があるようで、葉の大きさや色合いに違いがあります。
中には、明らかにグニーでない場合もあるので、注意が必要です。

ユーカリ・オレンジガム

やや成長が早くて丈夫で、葉も厚みがあります。
年月が経つにつれて樹皮が剥がれると、オレンジ色の斑点の木肌が現れ、やがてグレーやブラウンの色合いになります。

普段はや鮮やかな緑色の葉色です。

写真は紅葉したときの様子です。
紅葉した葉をドライにしてみるのも一つです。

ユーカリ・銀丸葉

フラワーアレンジメントでも大人気のユーカリです。

葉はとても厚くないものの、美しい色合いの葉から、ドライ素材としても利用されています。

成長も比較的早く、育てやすいユーカリです。

成長が早くて丈夫なユーカリ

▼他にも、成長が早くて丈夫なユーカリはたくさんあります。

樹皮にも注目

身近なユーカリの中にも、樹皮が魅力的なユーカリは沢山存在します。
樹皮の名前から、ホワイト・アイアンバーク(白い鉄の樹皮)や、レッド・アイアンバーグ(赤い鉄の樹皮)、キャンドル・バーグ(ろうそくの樹皮)と呼ばれる種類もあります。
樹皮の変化は、年数を経て育てた人のみが知る魅力であり、年月をかけて育てる楽しみがあります。
また、ユーカリ樹皮は、フラワーアレンジメントなどの作品づくりにも使用できるので、樹皮にも注目してユーカリを選ぶのも良いかもしれません。

枝や樹皮を簡単に取得するには、成長が早いユーカリも向いているので、上記の「成長が早くて丈夫なユーカリ」を参照ください。

成長は早くはないものの、厚い葉や実が特徴的なもの

ここでは、長雨に注意すれば比較的育てやすく、厚い葉や大きめ実をもつ、魅力的なユーカリを紹介します。

ユーカリ・プレウロカルパ

「テトラゴナ」とも呼ばれ、フラワーアレンジメントなどで、とても人気のある種類です。
大ぶりの実も特徴的で、「テトラゴナ・ナッツ」としてドライ素材としても人気があります。

ユーカリ・マクロカルパ

日本では全く知名度がないようですが、オーストラリアなどでは、フラワーアレンジメントとして利用されるようです。

プレウロカルパ同様に、厚みのある葉と、白みのある美しい色合いが特徴です。

「マクロカルパ」は、ギリシア語の「大きい果実」に由来し、大きい実は10cm近くになります。

他にも、「ガムナッツ」として、特徴的な蕾や実をもつユーカリが多数あります。
例えば、「スパイダー・ガム・ボール」と呼ばれる実をもつ、「ユーカリ・コンフェルミナータ」や「ユーカリ・レーマニー」が挙げられます。
他にも、独特の蕾や実をもつユーカリがあります。
蕾や実を目的にして育てるのは、チャレンジングですが、挑戦してみるのも一つかもしれません。

希少(レア)なユーカリを選ぶ

ここでは、「日本でやや育てにくく」、かつ、「蕾や実が特徴的」なユーカリを紹介します。
やや育てにくい種類は、花が色鮮かであったり、蕾や葉枝が独特など、魅力的な種類が多数あります。

「日本でやや育てにくい」ということは希少性が高いということもあります。

また、これらは、樹高を数m以上にして環境を整えないと、開花や様子の変化が見れず、真価を発揮しにくい場合があります。
雨や寒さに注意すれば育てられるものの、開花や実が見えれるまで育てるのはチャレンジングです。

ユーカリ・コンフェルミナータ

独特の実の様子から、蕾や実は「スパイダー・ガム・ボール」として流通していることがあります。

「スパイダー・ガム・ボール」のユーカリはいくつかあり、他には「ユーカリ・レーマニー」が挙げられます。

ユーカリ・ウッドワーディー

]別名「レモンフラワーガム」

美しい花に加え、銀白色を帯びた青緑色の厚みのある葉も特徴的です。

オーストラリアでは観賞用として人気があるそうです。

長雨には注意が必要ですが、意外と生命力はあります。

ユーカリ・トルカータ

別名「コーラル・ガム」で、直訳すると「珊瑚のユーカリ」という美しい別名でも呼ばれます。

こちらも、美しい花に加え、青緑色の厚みのある葉も特徴的です。

若木の葉は虫に食べられやすいのかもしれません。
蝶か蛾の幼虫に食い尽くされることがあります。

お茶になるユーカリを選ぶ

ユーカリ茶というものがあり、日本でも販売されています。

お茶として有名なユーカリは3種類です。

なぜ、この3種類がお茶として有名なのかは謎ですが、認知度の高さや育つ速度が早いことから選ばれたのかもしれません。

お茶として飲み比べてみると、それぞれに特色があり、納得感はあります。

それぞれ、育つ速度は早いので、地植えするには定期的な剪定が欠かせません。
鉢植えで育てる場合、定期的な剪定・根詰まり防止は必要ですが、生命力が強いので、2m程度に小さく維持することはできると思います。

※ユーカリだけではありませんが、ハーブを利用する場合は、一度に多くを摂取せず、妊婦や子ども、アレルギーのもつ方などは、かかりつけの医師への事前相談が必要と考えられます。

ユーカリ・グロブルス

エッセンシャルオイルとしても有名なユーカリです。
白みのある葉色も美しく、樹高が2m程で、葉の形が変化し、長葉になっていくのも興味深い点です。

お茶としては、特にユーカリらしさがあります。
ユーカリらしい清涼感のある味わいが濃いので、好みは分かれると思います。

ユーカリ・カマルドレンシス

「リバーレッド・ガム」として木材として有名なユーカリです。
長葉のユーカリとして、花束の材料として流通することもあります。

お茶としては、ユーカリらしい清涼感がありながら、「グロブルス」に比べるとマイルドな味わいになっています。

グロブルスの癖が強いと感じる人にとっては飲みやすいと感じます。

ユーカリ・ロブスタ

コアラの木として、有名なユーカリです。

葉からの香りは少ないですが、お茶としては、納得のユーカリです。
ユーカリらしい癖が少なく、お茶らしい味わいです。

「カマルドレンシス」を濃いと感じる場合も、「ロブスタ」ならば、大分、飲みやすいでしょう。

ロブスタは、初夏の新芽は茶色(濃い紅色)であることが多いですが、お茶を知っていると、香ばしい色合いに見えてきます。

寒い地域で育てられるユーカリを選ぶ

ユーカリを地植えする場合や、鉢植えで大きく育てる場合には、寒さに弱いユーカリは、冬に枯らしてしまう場合があります。
ユーカリは寒さに弱いと思われがちですが、日本の寒さに耐えることができるユーカリは多く存在します。
寒さに強いユーカリについては、以下のページで参考情報を掲載しております。

情報は当店の育成経験や、原産地の環境、書籍やウェブ等の情報をもとにしておりますが、全て正解ではない場合が無いことをご了承ください。
特に、育てる環境には、寒風や霜、湿度、気候の影響など、様々な要素がありますので、場所によっては気候に合わない場合や、個体差がもあります。

ユーカリ初心者向けのユーカリ品種

ユーカリを初めて育てる方でも、育てやすい種類をご紹介します。

「種子からの発芽率」や、「幼い苗からの育てやすさ」という点で選びました。
(※発芽率や発芽後の育ちやすさは、他店の場合、異なる可能性があります。)

まずは、育てやすいものから始めると、ユーカリの特性もわかってきて、新しいユーカリに挑戦しやすくもなります。

ユーカリ銀世界

フラワーアレンジメントや、ガーデニング用としても人気の高いユーカリです。

発芽後も比較的、丈夫であり、育てやすいユーカリです。

ユーカリの中では小型ですが、成長も早いため、鉢植えで育てる場合、やや大きめの鉢で育てることが望ましいです。

ユーカリ・ベイビーブルー

ユーカリ・銀世界の園芸種です。
葉色は似ていますが、成長しても葉が大きくならないことが特徴です。

香りも比較的強く、ハーブ木としてもおすすめです。

ユーカリの中では小型ですが、成長も早いため、鉢植えで育てる場合、将来的には、やや大きめの鉢で育てることが望ましいです。

ユーカリ・プレウロカルパ

やや乾燥気味に育てることが望ましいユーカリも、多数あります。

フラワーアレンジメントでも人気である「プレウロカルパ」もその一種です。
長雨や水のやり過ぎには注意が必要であり、育つ速度にも関わります。

一方で、成長もやや早く、生命力もあるので、育てやすいと思います。
種子から発芽すると、最初の見た目や、最初の育つ速さは、驚きがあります。

本種を上手く育てられると、育てられるユーカリも広がるでしょう。

▼成長が比較的、早くて丈夫なユーカリは、以下の記事にも掲載しています。

まとめ

ここでは、様々なユーカリを紹介しました。
魅力あるユーカリは沢山あるため、残念ながら紹介できなかったユーカリも沢山あります。

また、育成する地域によっては、合うユーカリと、合わないユーカリもあると思います。
一方で、ユーカリは800種類以上もあります。
様々なユーカリを育ててみると、地域や場面に合ったユーカリを見つけることができると思います。

特に、ユーカリは、育てる環境や成長度合いによって、葉の色合いや外見が違うことも。
期待していなかったユーカリの種類からも、知られていない、新たな一面を見つけることができることがあります。

ユーカリ銀世界、季節によっては紅色の新芽が見られます。

ユーカリの活用方法の魅力については、以下に参考情報を掲載しております。
よろしければ、ご参考ください。

▶ユーカリは、成長に従い、葉や構造を変化させていきます。
 種子から育てると、幼い苗からの変化、独特の魅力が見えてきます。

▶ユーカリの様々な活用方法をご紹介します。

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