アカシア(ミモザ)は、春に黄色の花を咲かせる花木として、花束やスワッグ、庭木として人気がある植物です。
「ミモザ」は、人によって「黄色い花のアカシア」を指すこともあれば、「アカシア全般」を指すことがあり、黄色以外の花を咲かせる種類もあります。
アカシアの大半は、オーストラリアや太平洋諸島を原産とします。
アカシアは成長が早い種類があり、育てる楽しさがある植物です。
種子や小さな苗木から育てても、1~2年で立派な若木へ育ち、中には数年で花を咲かせます。
生命力が強い種類も多く、日本の寒さに弱い種類でも、冬には枯れた様子になったのに、1年で数mにも枝を伸ばして沢山の花を咲かせる種類もあります。
マメ科の植物なので、丈夫で成長が早い種類は、アジアを始めとして土壌再生のために植樹されています。
ここでは、当店の取り扱う、種子や苗木の中で、通常よりも成長が早く、丈夫なアカシアを一部ご紹介します。
※場所によっては気候に合わない場合や、個体差がございますのでご注意ください。
※小さい芽や若い苗のときは 基本的に暑い時期・夏の直射日光・雨風・急な気温差には注意が必要であり、丁寧に育てる必要があります。
※成長が早いものは、屋外で地植えなどで育成するとき、他の土地へ広がって侵略種になりえますので、広がらないように管理できる状態にする必要があります。
成長が早くて丈夫なアカシアの一覧
成長速度は、少し早いものから、とても早いものまでが含まれます。
(とても早いものは、少し早いものに比べて、非常に早いことがあります)
銀葉アカシア 別名:アカシア・バイレヤナ
学名:Acacia baileyana
銀葉アカシアは沢山の黄色の花を咲かせ、青みのある羽状のシルバーリーフをもつアカシア(ミモザ)です。
ふわふわしたような優美な花は、花束やリース等のハンドメイド作品でとても人気があります。
花に加え、葉の形状や色合いが美しく、花束の素材やシンボルツリーとしても利用されます。
英国王立園芸協会からは庭での植栽で優れた植物だと評価されています。
オーストラリア南東部に生育しており、樹高は約5~12mになります。
アカシア・コグナータ 別名:リバーワトル
学名:Acacia cognata
アカシア・コグナータは小~中型のミモザ(アカシア)であり、穂状の沢山の黄色い花を咲かせます。
細長い葉を持ち、葉枝が枝垂れるような樹形になります。
本種類を基にして、アカシアの様々な園芸種が生まれています。
オーストラリア南東部に生育しており、樹高は約3~8mになります。
アカシア・コンフューサ 別名:相思樹(ソウシジュ)
学名:Acacia confusa
アカシア・コンフューサは中型のミモザ(アカシア)であり、長細い葉を持ち、ボール状の沢山の黄色い花を咲かせます。
「相思樹」という名前は、中国の春秋時代の恋物語が由来とされています。
原産地の台湾では木材から楽器や家具を作ったり、お茶や漢方薬としても用いられました。
ハワイなどの温かい国々や、日本でも沖縄本島や西表島で見られます。
台湾やフィリピンに生育しており、樹高は約6~15mになります。
アカシア・カウレアナ 別名:ホールズクリークワトル
学名:Acacia cowleana
アカシア・カウレアナは小型のミモザ(アカシア)であり、長細い穂状の黄色い花を咲かせます。
葉枝は真っ直ぐに伸び、翼のように淡い緑色の長葉を広げます。
生育地では、栄養の乏しい土壌でたくましく育ちます。
オーストラリア北部の内陸部に生育しており、樹高は約1~4mになります。
三角葉アカシア 別名:アカシア・カルトリフォラミス
学名:Acacia cultriformis
三角葉アカシアはコンパクトな三角形の葉が特徴的な、小~中型のアカシア(ミモザ)です。
ユニークな葉枝に加え、ボリュームのある花も咲かせ、花束の材料として利用されています。
比較的丈夫であり、ガーデニングの植物としても広く利用されています。
遠目では、ギザギザとした樹形にも見え、独特の雰囲気を醸し出します。
オーストラリア東部に生育しており、樹高は約3~4mになります。
フサアカシア 別名:シルバーワトル
学名:Acacia dealbata
フサアカシアは沢山の黄色の花を咲かせ、羽状の葉をもつ中型のアカシア(ミモザ)です。
世界中で栽培され、ヨーロッパ等でも花束として利用されています。
花からの精油は、香水や石鹸、化粧品などにも利用されています。
英国王立園芸協会からは庭での植栽で優れた植物だと評価されています。
オーストラリア南東部に生育しており、樹高は約20~30mになります。
アカシア・ファルネシアナ 別名:金合歓(キンゴウカン)、スウィートアカシア
学名:Acacia farnesiana
アカシア・ファルネシアナはスウィート(甘い)アカシアとも呼ばれ、黄色い花からは甘い香りがあります。
花からは精油が取れ、ヨーロッパでは香水としても使われています。
観賞用や庭木として植えられるほか、花束にも利用されています。
中央アメリカやオーストラリアに生育しており、樹高は約4~8mになります。
アカシア・ロンギフォリア 別名:ナガバアカシア、ゴールデン・ワトル
学名:Acacia longifolia
syn:Acacia longifolia ssp. longifolia
アカシア・ロンギフォリアは小~中型のアカシア(ミモザ)であり、明るい黄色い花を咲かせます。
「ナガバアカシア」と呼ばれ、長細い笹状の葉を翼のように広げます。
「ロンギフォリア」はラテン語の 「長い」 と「葉」に由来します。
成長速度が速く、丈夫な種類のアカシアです。
オーストラリア南東部やタスマニア島に生育しており、樹高は約2~8mになります。
アカシア・マンギウム 別名:ヒッコリーワトル
学名:Acacia mangium
アカシア・マンギウムはクリームイエロー色の花を咲かせる、大型のミモザ(アカシア)です。
明るい緑色の、大きめの卵型の葉をもちます。
成長が早く、乾燥にも強く、酸性土壌や栄養の乏しい土壌でも育ちます。
丈夫な木であり、土壌の窒素代謝を高める効果があり、土壌再生の木として広く植栽されています。
オーストラリア北東部やパプアニューギニアなどに生育しており、樹高は約20~30mになります。
アカシア・メアンシー 別名:モリシマアカシア
学名:Acacia mearnsii
アカシア・メアンシーは中型のミモザ(アカシア)であり、淡い黄色の花を咲かせます。
羽状の葉葉を持ち、成長が早く、ある程度の耐寒性がある丈夫な種類です。
かつて、先住民族が薬用や食用としたり、道具としても使用してきました。
植栽用や木材用として利用され、インドや東南アジア、ハワイ等にも自生するようになりました。
オーストラリア南東部やタスマニア島に生育しており、樹高は約6~15mになります。
パールアカシア 別名:アカシア・ポダリリーフォリア
学名:Acacia podalyriifolia
syn:Acacia podalyrifolia
パールアカシアは銀色帯びた明るい色合いの丸葉を持つ、小~中型のアカシア(ミモザ)です。
初春頃に、ボリュームのある穂状の黄色い花を咲かせます。
花に加え、美しい葉枝をもつことから、花束の材料や、ガーデニングで人気の高い種類です。
ドライフラワーとして、リースやスワッグ等の作品づくりにも使用されています。
オーストラリア東部や南東部に生育しており、樹高は約3~6mになります。
アカシア・プラビッシマ 別名:オーブンズワトル
学名:Acacia pravissima
アカシア・プラビッシマは小型のミモザ(アカシア)であり、ボール状の沢山の黄色い花を咲かせます。
しなやかに湾曲する枝に、やや丸みを帯びた三角の小さな葉を付けることが特徴的です。
「プラビッシマ」はラテン語の「非常に曲がった」に由来し、特徴的な葉と枝の様子を表します。
枝垂れ花のようにも仕立てることができます。
オーストラリア南東部やタスマニア島に生育しており、樹高は約1~3mになります。
アカシア・プロミネン 別名:ゴールデンレインワトル
学名:Acacia prominens
アカシア・プロミネンはボール状の沢山の黄色い花を咲かせる、中~大型のミモザ(アカシア)です。
スリムな長楕円形の葉をもちます。
オーストラリアでは、鑑賞用として庭園や公園に植えられています。
「プロミネン」はラテン語で「突出した」を意味し、葉に現れる突出した腺を示します。
オーストラリア南東部に生育しており、樹高は約5~20mになります。
アカシア・サリグナ 別名:アカシア・シアノフィラ
学名:Acacia saligna
syn:Acacia cyanophylla
アカシア・サリグナは小~中型のミモザ(アカシア)であり、ボール状の沢山の黄色い花を咲かせます。
長細い笹状の葉をもち、枝は枝垂れる傾向があります。
庭木や街路樹として植樹されるほか、羊毛を黄色に染める用途に使われました。
砂地や岩場などの様々な土壌で育つことができます。
オーストラリア南東部や南西部に生育しており、樹高は約2~8mになります。
アカシア・スペクタビリス 別名:マッジー・ワトル
学名:Acacia spectabilis
アカシア・スペクタビリスは黄色い穂状の花を咲かせ、羽状の葉を持つ、小~中型のアカシア(ミモザ)です。
ボリュームのある花を咲かせ、耐寒性もあり、丈夫です。
日本でもガーデニングの花木として広く知られています。
小さな丸い葉が沢山集まったような、マメ科特有の羽状の葉も特徴的です。
オーストラリア北東部に生育しており、樹高は約3~6mになります。
丈夫なアカシアの一覧
成長速度は普通または若干遅いものの、丈夫な種類を紹介します。
(中には、鉢サイズを大きくすると、育ちが早くなることがあります。)
アカシア・デクレンス 別名:ブラックワトル、アーリーグリーンワトル
学名:Acacia decurrens
アカシア・デクレンスは中型のミモザ(アカシア)であり、ボール状の沢山の黄色い花を咲かせます。
オーストラリアでは、冬に開花し、「アーリーグリーンワトル」とも呼ばれます。
寒い時期の終わりに咲くことから、先住民族は春の訪れの花として捉えました。
花はエッセンシャルオイルや、フリッターとして利用されることがあります。
オーストラリア南東部やタスマニア島に生育しており、樹高は約10~15mになります。
アカシア・ヴェスティータ 別名:ウィーピング ・アカシア
学名:Acacia vestita
アカシア・ヴェスティータは黄色い花を沢山咲かせ、枝垂れ花になる、小型のミモザ(アカシア)です。
青みのあるレモン型の小さな葉をもち、成長すると枝垂れる樹形になります。
枝垂れ花として美しく、小型であり、庭園の木として植樹されています。
「ヴェスティータ」は「服を着た」に由来し、枝葉の葉毛を表しています。
オーストラリア南東部に生育しており、樹高は約1~3mになります。